← メディア一覧

CPUとメモリを厨房に例えるパソコンの仕組み

13分42秒 | ハードウェア基礎FE

基本情報技術者試験の頻出テーマを解説した音声コンテンツです。

トランスクリプト(字幕テキスト)

新しい年が始まりましたね。仕事始めでこう久しぶりに会社のパソコンを立ち上げたら、あれ? なんか去年より動きが重いかな?なんて感じたりしていませんか?ああ、ありますね。 連休明けは特にそう感じやすいかもしれません。あの、更新プログラムが裏で動いてたり、 まあ単純に自分の頭がまだ休みモードだったりとか。まさにそれです。今回はですね、 そんなパソコンのパフォーマンスのまあ根幹に関わる部分についてご提供いただいた資料を深掘りしていきたいと思っています。 テーマはCPUとメモリ。言葉はもう誰もが聞いたことあると思うんですけど、 この2つの関係性を正確に説明できる人って意外と少ないんじゃないでしょうか。ええ、そう思います。 この2つはなんていうか、車の両輪みたいなもので、片方だけを理解していてもなぜPCが快適になったり、 あるいは遅くなったりするのか、その本質までは見えてこないんですよね。そこで今回の我々のミッションです。 提供された資料にあるこれ非常に秀逸な例え話だと思うんですが、CPUは料理人、メモリは調理台という視点から この複雑な関係性をすっきり解き明かしていこうと。この話が終わる頃には皆さんのパソコンの中にある 厨房の様子がこう目に浮かぶようになっているはずです。素晴らしいアプローチだと思います。 専門用語をこうミリに覚えるんじゃなくて、1つのイメージとして全貌を掴む。それが、え、理解への一番の近道ですからね。 それでは早速その厨房を覗いてみましょうか。まず主役はCPU。資料では料理人とされていますね。 これはもうパソコンの頭脳と言われるだけあって、あらゆる計算とか処理をこなすわけですから、まさに厨房を仕切るシェフというイメージですね。 その通りです。で、料理人にも色々なタイプがいるじゃないですか。1つの巨大なウェディングケーキを じっくり時間をかけて完璧に仕上げるのが得意なパティシエもいれば、あるいは次から次へと入る注文を 複数のコンロを使いながら同時にこう手際よく捌いていく定食屋の店主みたいな人もいる。 ああ、面白いですねその視点。それってもしかしてCPUの性能でよく聞くコア数の話に関わってきますか? まさに。おっしゃる通りです。1つの作業をどれだけ早くできるかというシングルコア性能が、まあパティシエだとすれば、 どれだけ多くの作業を同時にこなせるかというマルチコア性能が定食屋の店主なんです。なるほど。 動画の書き出しみたいな1つの重い作業は前者が得意ですし、たくさんのブラウザタブを開きながら 裏で音楽を流してさらに資料を作るみたいなマルチタスクは後者が得意というわけですね。なるほど。 じゃあ自分の使い方がどっちのタイプかにやって選ぶべき料理人も変わってくる。とすごくわかりやすいです。 さて、そんな敏腕料理人が腕を振るうために不可欠なのがもう1つの主役、メモリ。資料では調理台に例えられています。 ええ。どれだけ腕の立つ料理人でも作業スペース、つまり調理台がなければ何も始まりませんからね。 この調理台が広ければ広いほど、たくさんの食材とか調理器具を一度に広げて効率よく作業を進めることができるわけです。 ということはパソコンの動作が遅くなる原因の1つはこの調理台が狭いことにあると見ていいんでしょうか。 はい。その可能性は非常に高いですね。例えばたくさんのブラウザタブを開きながら、 Zoomで会議をしてさらにExcelも使うというのは、この厨房で言うとカレーとパスタとデザートを 同時に1つの小さなまな板の上で作ろうとしているようなそんな状態なんです。うわ、想像しただけでキッチンがパニック状態ですね。 まな板の上にボールを置いてその横にパスタの鍋を置いて。あ、もう置く場所がないみたいな。そうなると料理人はどうしますか? 一度使い終わった野菜の皮を捨てたりボールを片付けたりして、まずスペースを確保してから次の作業に移りますよね。 はいはい。この片付けてスペースを空けるという手間。これがパソコンでいうところの読み込み中のマークが回ったりとか、 一瞬カーソルが固まるあのカクつきの正体の1つなんです。そういうことだったんですね。 じゃあふと思ったんですけど、データを保存しておくSSDとかハードディスクはこの厨房のどこにあるんですか? 調理台の上には見当たらないですが。いい質問ですね。それはですね、冷蔵庫とか食材庫に当たるんです。冷蔵庫? ええ、料理を始める時、まず冷蔵庫から肉とか野菜といった材料を取り出して調理台の上に広げますよね。 この冷蔵庫から調理台へ材料を運ぶという行為がまさに、SSDからメモリへデータを読み込むというパソコン内部の動きそのものなんです。 はあ、なるほど。じゃあアプリケーションのアイコンをダブルクリックするっていうのは冷蔵庫の扉を開けて 今日の献立の材料を取り出すみたいなそういうイメージなんですね。今全てが繋がりました。そしてここでもう1つ面白いのが、 冷蔵庫にも色々あるじゃないですか。昔ながらの奥に何が入っているかわからないごちゃごちゃした冷蔵庫と、 最新式の引き出しが整理されててすぐ目的のものを取り出せる冷蔵庫。前者がハードディスク、つまりHDD。 で後者がSSDだと考えると、なぜSSDのパソコンが起動とか読み込みが早いのかイメージしやすいかなと。 冷蔵庫自体の性能も大事なのと。でもどんなに良い冷蔵庫でも、結局調理台が狭かったら何度も冷蔵庫と調理台を往復しなきゃいけない。 だからメモリを増やすとPCが快適になるっていうのは、小さな調理台を広々とした業務用のステンレスキッチンに交換するみたいなそういうことなんですね。 ええ、まさにおっしゃる通りです。料理人は冷蔵庫との往復回数が劇的に減って調理そのものに集中できる。 結果として全体の作業スピードが上がるわけです。いや、この厨房のイメージすごく具体的でわかりやすいです。 でも資料を読んでいるともう1人ちょっと意外な登場人物が出てきますよね。現金と同じ響きですけど綴りはC-A-C-H-E。 これが一体厨房の何に当たるんでしょうか。調理台があればもう十分な気もするんですけど。 これがですね、調理台の上にある小さな手元のトレイのようなものなんです。調理台の上のさらに小さなトレイ? え、なぜそんな二度手間みたいなものが必要なんですか?それはですね、料理人であるCPUの仕事のスピードが もう我々の想像を絶するほど早いからなんです。あまりにも早すぎてたとえ目の前の広い調理台から材料を取るという ほんのわずかな動作ですら遅いと感じてしまう。資料にもせっかちな料理人って書いてありましたけどそういうことですか。 なんだかクリックした瞬間に反応がないとイライラする自分を見てるみたいです。そのレベルでPCの中ではやり取りが行われているんですね。 まさに。1秒間に何十億回という途方もない速さで手を動かしている料理人からすれば、 広大な調理台の端に置いてある塩を取りに手を伸ばす時間すらもどかしいんですよ。コンマ数秒のタイムロスが 全体のパフォーマンスに大きく影響してしまう。なるほど。だから手元のトレイがそこで必要になるわけですか。そういうことです。 そこで塩や胡椒のように頻繁に使う調味料とか、今まさに刻んでいる最中のネギなんかを、すぐ手が届くこの小さなトレイ、 つまりキャッシュメモリの上に置いておくんです。そうすればいちいち腕を大きく動かして調理台の端まで手を伸ばす必要がなくなるわけですね。 料理人は腕の動きを最小限にして最高速度で作業を続けられる。とつまりCPUという超高速な部品と、メモリという、 まあCPUに比べればですが、比較的低速な部品との間に存在する絶望的な速度差を埋めるための賢い工夫なんですね。 ええ。この小さなトレイがあるおかげで、超せっかちな料理人はストレスなくその能力を100%発揮できる。 まさに縁の下の力持ちです。ちなみにこのキャッシュメモリにもCPUに内蔵されてるL1とかL2キャッシュといった階層があって、 それはもうトレイの中のさらに小さな醤油皿みたいな、より手元に近い存在だったりします。うわ、どんどんミクロな世界になりますね。 でも全体の構造が見えてきました。つまり早い順に並べるとまず超高速な料理人がいて、 そのすぐ手が届く範囲にめちゃくちゃ早いけど小さい手元のトレイがある。その次に広くて作業しやすいけどトレイよりは少し遠い調理台があって、 一番遠くて時間がかかるのが大容量の冷蔵庫。完璧な整理です。その通りです。 その比喩を専門用語に置き換えると速度順に、CPU、キャッシュメモリ、メモリ、SSD、HDDとなります。 この階層構造、この一枚の絵を頭の中に描けるかどうかがPCの性能を理解する上で非常に重要なんです。 ということはこの階層のどこかがボトルネック、つまり詰まっちゃうと、いくら一番早い料理人CPUを雇っても、 結局はその性能を活かせないということになりますね。まさにその点が確信です。 F1マシン級のエンジンCPUを積んでいても、タイヤが軽自動車のもの、つまりメモリ不足だったらまともに走れないのと同じです。 そしてこの階層構造には普遍的な原則があります。CPUに近いほどコンポーネントは非常に高速だけれども容量は小さく、そして高価である。 逆にCPUから遠ざかるほど低速になるけれど容量は多く安価になる。ああ、なるほど。手元のトレイは便利だけどたくさんは置けない。 調理台はたくさん置けるけどトレイほどは早くない。冷蔵庫はものすごくたくさん入るけど取りに行くのが一番遅い。 そのトレードオフの関係がそのまま価格に反映されてるんですね。そのトレードオフこそがコンピュータの記憶装置を設計する上でのもう基本中の基本なんです。 もし冷蔵庫並みの大容量で手元のトレイ並みの速さを持つ夢のような記憶装置が安価に作れれば話は早いんですけど、 まあ現実的にはコストとか物理的な制約で不可能ですから。だからこそコンピュータはこうした階層構造を用いて速度と容量のバランスを巧みに取っているわけですね。 いや今回の話で本当にスッキリしました。要点をまとめるとまず1つ目はCPUは厨房を仕切る料理人。 シングルタスクが得意なタイプとマルチタスクが得意なタイプがいる。ええ。2つ目はメモリは調理台。 この作業スペースが広いほどたくさんの作業を同時に快適に進められる。PCが重いと感じたらまずここの混雑具合を疑うべきと。 そうですね。そして3つ目がキャッシュメモリは手元のトレイ。超せっかちな料理人であるCPUと調理台であるメモリとの間の あの絶望的な速度差を埋めるための賢い工夫であること。この3点を厨房のイメージとして持っておくだけで パソコンのカタログスペックの見え方が全く変わってきそうです。はい。CPUのクロック周波数だけでなくメモリの容量や さらにはSSDの速度がなぜ重要なのか、それぞれの部品が厨房の中でどんな役割を担っているのかを想像できるようになるはずです。 そこでリスナーの皆さんへのちょっとした実践的なアドバイスです。この話を聞いてご自身のパソコンの調理台が 今どれくらい使われているか気になりませんか?Windowsならタスクマネージャー、Macならアクティビティモニタを開いて、 メモリの使用率という項目をチェックしてみてください。自分のPCの厨房の状態を覗いてみるのはとても良い習慣ですね。 もし特に何も重い作業をしていないのにメモリ使用率が常に80%とか90%を超えているようなら、 あなたのパソコンの料理人はかなり窮屈な調理台で試行錯誤しながら作業しているのかも知れません。 ブラウザのタブをいくつか閉じるだけで使用率がガクンと下がることもありますし、それが、ああ、調理台の上が片付いたってことなんだなと 実感できると面白いですよね。そうですね。特に動画編集や最新のゲーム、あるいは大量のデータを扱う研究者の方とか、 巨大な食材を一度に調理台に広げる必要がある方は、メモリ容量が作業効率に直結しますから。 まさに。ご自身の料理スタイルに合った厨房を用意することが快適なPCライフの第一歩と言えるでしょう。 さて、最後に今日の話をさらに一歩進めるための、まあ思考の種を1つ残して終わりたいと思います。はい。 今回は料理人の仕事の速さ、つまりCPU性能と厨房の物理的な広さ、メモリと、キャッシュの容量について見てきました。 ハードウェアの話ですね。では料理の質についてはどうでしょう。つまりその料理人がどんなレシピに基づいて どれだけ巧みに効率よく料理を作るかという点です。これってコンピュータの世界の何に当たるんでしょうか。 料理人の腕前とかレシピブック、ハードウェアじゃないとすると。CPUが料理人だとすれば、 その料理人の長年の経験からくる腕前や、手順が書かれたレシピブックとは一体何なのか。 それはもしかしたらOSやアプリケーションといったソフトウェアの設計思想なのかもしれませんね。少し考えてみるのも面白いかもしれませんね。 (音楽・終了まで)

このコンテンツは Web society で視聴・学習できます。