AIハルシネーションの真実
5分18秒 | AI
基本情報技術者試験の頻出テーマを解説した動画コンテンツです。
トランスクリプト(字幕テキスト)
どうも皆さん。 今日は、AIが時々見せるちょっと不思議で時には厄介な現象、ハルシネーションについて掘り下げていきたいと思います。 AIがさも本当のことのように語るもっともらしい嘘、その裏側で一体何が起きているのか、その謎を一緒に解き明かしていきましょう。 例えば、AIに歴史について何か質問したとしますよね。 そうしたら、こんな答えが返ってくることがあるんです。 「1605年のささやく松の木の条約は、伝説的なイロコイ族の首長、ケイレブ・ブラックウッドによって署名された。」 なんだかすごくありそうな話じゃないですか? 思わず「へえ」って信じてしまいそうですよね。 でも、もしこのケイレブ・ブラックウッドという人物も、その「ささやく松の木の条約」というのも全部全くのデタラメだとしたらどうします? 驚くことに、これAIがゼロから作り出した完全なフィクションなんです。 いやいや、待てよと。なんでこんなに賢いAIが、こんなにも自信満々に最もらしい嘘をついてしまうんでしょうか? この疑問こそが、まさに今日のテーマの核心部分です。 このミステリーを解く鍵は、AIの考え方のプロセスにあるんです。 一見すごく複雑に聞こえるかもしれませんが、実はこれ、確率を使って言葉を繋げていくすごくシンプルな「しりとり」のようなゲームに似ているんですよ。 では具体的に見ていきましょうか。 AIに「空は」という文頭の書き出しを与えたとします。 そうするとAIは「さて、この次にはどんな言葉が来るのが一番らしいかな?」と考え始めるわけです。 ここが非常に大事なポイントなのですが、AIは私たちみたいに「空は青い」と事実を知っているわけではないんです。 そうじゃなくて、今まで学習した膨大なデータの中から「空は」という言葉の次にくる確率が一番高い単語は何かを計算しているだけなんですね。 例えば、「青い」が来る確率は80%でダントツ。まるでスロットマシンで一番当たりやすい絵柄を選ぶように、この「青い」をポンと選ぶわけです。 つまり、AIというのは何かを理解している賢者ではなくて、超高性能な予測マシンなんです。 目の前にある「文脈」というパズルのピースを見て、次にハマる確率が最も高いピースをただただはめ込み続けていく。 これがAIが文章を作る基本の仕組みです。 このプロセスは実はものすごくシンプルなループでできています。 まず文脈を分析する。 次に続きそうな単語の可能性を全部予測する。 そしてその中から一番確率の高いものを選ぶ。 この単純作業の繰り返しが、あの流暢な文章を生み出しているということなんです。 さて、基本が分かったところで最初の謎に戻りましょう。 この単純な単語予測ゲームが一体どうして、ケイレブ・ブラックウッドのような存在しない歴史上の人物をでっち上げることに繋がるのでしょうか? その答えは、確率の連鎖、つまりしりとりが変な方向に進んでしまうところにあります。 エラーが起きるまさにその瞬間をスローモーションで見てみましょう。 AIはまず「イロコイ族の首長」という言葉を見ます。 すると学習データの中から、その次に続きやすい最もらしい英語っぽい名前のパターンを引っ張ってくる。 次に「条約」という言葉には「ささやく松の木」のような自然を連想させるようなそれっぽい名前のパターンを繋げる。 1つ1つの繋がりだけ見れば、確率的には「うん、ありそうだよね」というものばかりなんです。 でも、そのありそうな単語の連鎖が、結果として全くのフィクションという道筋をたどってしまうことがある。 これがハルシネーションの正体です。 最もらしい嘘は、最もらしい確率の連鎖が生み出した偶然の産物だったというわけなんですね。 ここで、ハルシネーションという言葉をちゃんと定義しておきましょう。これはAIが間違った情報をさも事実であるかのように生成してしまう現象のことです。 大事なのは、AIが悪意を持って嘘をついているわけではないということ。 あくまで確率に基づいた予測のエラーなんだ、ということです。 さて、ハルシネーションの仕組みが見えてきました。 では、私たちはこの予測マシンとどう付き合っていけばいいのでしょうか? ここからは、AIを賢く使いこなすためのすごく大事なポイントを見ていきましょう。 大切なのは大きく3つです。 まず1つ目。これは絶対ですが、重要な情報に関しては必ず自分でファクトチェックをする。鵜呑みにしないこと。 2つ目。AIを最終的な答えをくれる専門家ではなくて、アイデア出しを手伝ってくれるブレストの相棒のように考えること。 そして最後。AIは意識を持った存在ではなくて、あくまで高度なパターンを真似する装置、言なればものすごく高性能なオウムのようなものだと心に留めておくこと。 これが賢い付き合い方の鍵になります。 今回の解説はここまでです。 最後に皆さんにこんな問いかけをして終わりたいと思います。AIが生み出すものって、果たして新しい形の知性なのでしょうか? それとも、私たちが教えた言葉を驚くほど巧みに真似する、ただの高機能なオウムに過ぎないのでしょうか? ぜひ皆さんも考えてみてください。
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