CPUの通知表
6分36秒 | FECPU
基本情報技術者試験の頻出テーマを解説した動画コンテンツです。
トランスクリプト(字幕テキスト)
こんにちは。CPUを選ぶ時って、ギガヘルツみたいな大きな数字が目に飛び込んできますよね。 でもあれが本当に速さの全てなんでしょうか? 今日はですね、CPU性能のその裏側にある本当の話を解き明かしていこうと思います。 広告の数字だけじゃない、プロセッサーの真の速さの見抜き方、これに迫っていきますよ。 さて、早速本題に入っていきましょうか。 まず最初にですね、多くの人が信じちゃっているある種の速度の神話から見ていきたいと思います。 では皆さん、ちょっと考えてみてください。 4.0GHzのCPUって3.5GHzのCPUより必ずいつでも速いと思いますか? 多分ほとんどの方が迷わず「そりゃそうでしょう」って答えるんじゃないでしょうか? でも、もしもしですよ、答えがそんなに単純じゃなかったとしたら? 今日はこの謎を皆さんと一緒に解き明かしていきましょう。 この問いに答えるための鍵、それはですね、CPUの言うならば通知表みたいなものに隠されています。 大事な仕様が3つあって、それを1つずつ見ていく必要があります。 まず1つ目ですね。クロック周波数です。 これは、CPUの心臓の鼓動の速さみたいなものですね。 単位はヘルツ。 これ広告で一番大きく書かれている数字ですよね。 でもここ大事なんですけど、覚えておいてください。これは物語のほんのほんの一部に過ぎないんです。 で、2つ目がCPI。これは Cycles Per Instruction の略ですね。 要するに、たった1つの命令を終わらせるのに何回心臓が動く必要があるかという、いわばCPUの効率を示す数字なんです。 設計、つまりアーキテクチャが違うとこの効率もガラッと変わってくるんですね。 このCPIの数字が低ければ低いほど、そのCPUはより少ない動きで、もっと賢く仕事をこなせるということになります。 そして3つ目、これがMIPSです。 Million Instructions Per Second の略ですね。 これが通知表でいうところのもう最終的な成績、1秒間に一体どれだけの命令を実際にこなせたのか。 つまり僕たちが本当に知りたいCPUの仕事量そのものを表す真の性能指標、それがMIPSなんです。 はい、これで3つの成績が揃いましたね。 じゃあこの3つがどうやって結びつくのか、ここからが面白いところですよ。 シンプルだけどすっごく強力な単位の魔法を一緒に見ていきましょう。 いきなり難しい数式を見る前に、まずは簡単な言葉でこの関係をイメージしてみましょうか。 すごくシンプルに言うと、性能っていうのはクロックスピードを効率で割ることで出てくるんです。 これをさっきの専門用語に置き換えてみるとこうなります。 MIPSは周波数をCPIで割ったもの。 この式が今まで見てきた3つの指標をぴったり1つに結びつけてくれるんですね。 でも、なんでこの式で性能がわかるんでしょう? そのからくりは、単位に注目するとすっきり見えてきます。 まず、周波数の単位はサイクル毎秒、つまり1秒間に何サイクルかですね。 これをCPIの単位、サイクル毎命令、つまり1命令あたり何サイクルかで割ります。 で、割り算っていうのはひっくり返して掛け算するのと同じでしたよね。 なので、サイクル毎秒に命令毎サイクルをかけると、 さあ、そうするとここで面白いことが起こるんです。分子と分母に、ほら、サイクルという単位がありますよね。 これが、見ててください。そう、お互いを打ち消し合ってきれいに消えちゃうんです。 で、最終的に何が残るかっていうと、命令毎秒。 これこそがMIPS。僕たちが知りたかった本当の性能を表す単位そのものなんですよ。 すごいですよね。 数学って正直ですよね。嘘をつきません。 これで真の性能っていうのはただのスピードじゃないと、スピードと効率のその見事なバランスの上で成り立っているんだってことがはっきり証明されたわけです。 じゃあ理論はわかったと。これが現実の世界でどういう意味を持つのか。 効率、つまりCPIと性能MIPSの関係を、もっと具体的な例を使って探っていきましょう。 ここに2つのCPUがあるをします。 まずCPU A。こいつはスプリンタータイプ。 周波数は4.0GHzでもうパワフルそのもの。 でもCPIは1.2でちょっと効率が悪い。 一方CPU Bは思想家タイプ。 周波数は3.5GHzと、控えめなんですけど、 CPIが0.8と、めちゃくちゃ賢く動くんです。 さあ、お待たせしました。さっきの式で性能を計算してみましょう。 周波数をCPIで割る。 さあ、どうでしょう? 見てください。実際の性能MIPSの値は、なんと効率の良いCPU Bの方が圧倒的に高い結果になったんです。 これが僕がスピードメーター効果って呼んでいる現象です。 効率が上がって、つまりCPIが下がって、CPUがどんどん賢く動くようになると、性能を示すMIPSのメーターの針がぐーんと右に振り切れるんです。 これって車の燃費が良くなったら、同じガソリンの量でもっとずっと遠くまで走れるようになるのと全く同じ理屈ですよね。 このグラフを見てもらえれば、もう結果は明らかですよね。 クロック周波数はCPU Aの方が高いのに、性能のバーはCPU Bの方がこんなに大きく上回っている。 効率っていうのがどれだけ大事か、もう一目でわかりますよね。 さて、ここまで見てきて、じゃあ結論として僕たちがテクノロジーを選ぶ時に本当に心に留めておくべきことって一体何なんでしょうか? 大事なポイントをまとめてみました。まず1つ、クロック周波数、つまりギガヘルツの数字だけが全てじゃないってこと。 2つ目、CPIは低ければ低いほど効率が良いCPUだというサインです。 そして3つ目、本当の性能であるMIPSは速さと効率、この両方で決まるということ。 で、多分一番大事なのがこれ。賢くて効率的なCPUはただ速いだけの力任せなCPUを普通に追い抜いてしまうことがあるってことですね。 さて、今回の話はここまでになります。 次に皆さんがCPUのスペック表を見る時、あのギガヘルツという数字のその向こう側にある何に注目しますか? きっともう今日からは今までとは全然違った視点でスペックを読めるようになっているはずです。
このコンテンツは Web society で視聴・学習できます。